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平成14年度 ゼニーレPD研究会 第1回学術集会 「高齢者におけるPD療法」

 わが国の透析患者は毎年1万人以上のペースで増加を続け、2002年の時点では219,183名に達した。全体の平均年齢も20年間で47.1歳から62歳を超えるに至っており、全人口的な高齢化よりもさらに透析患者の高齢化が進んでいる。透析の新規導入患者でも50.8歳から64.2歳へとほぼ同じ高齢化がおきている。このように年齢構成の大きな変化から透析医療のあり方が20年前と大きく変わりつつあると言われている。
 このような高齢者に対する透析の手段として大部分の施設では血液透析が行われているが、透析中の急速な除水による血圧低下や不整脈の発生をはじめ、実施後の疲労感が著しいなど、若い人達と比較すれば透析中や透析後の訴えが多くなっている。これらの合併症を緩和するためにはむしろPD療法を用いた方がいいのではという印象もある。また高齢者は筋肉量の減少に由来する老廃物産生の減少から、透析量という観点で青、壮年期の人と比べてPD療法でも十分に管理できるという意見も出されている。
 このような状況を見据えてベルギーのブリュッセル自由大学付属ブルグマン病院Max Dratwa教授を招請し、平成14年11月17日に、「高齢者におけるPD療法」をテーマに都市センターで約200名の関係者を集め会合が持たれた。この会にはわが国からも、この分野の研究で知られている岡山済生会総合病院腎臓病センターの平松信先生に「高齢者PD導入のメリット・デメリット」と題する講演を、また「介護保険とこれからの医療」と題して医療法人福寿会の福岡靖介先生からもお話いただいた。
 これらの発表はまさに時期をえたものであり、また内容についても豊富な経験に基づく貴重な情報を含んでいるので、今回、当研究会のホームページにも掲載することにした。皆様にもこれを是非ご一読いただき、CAPDの新しい展開に関心を持ち、共に歩んでいきたいと願っている。

会長 太田和夫


「高齢者におけるPD療法」
Prof. Max Dratwa (CHU Brugmann Universite Libre de Bruxelles Brussels, Belgium)

 世界的に高齢化が進んでいることは周知のことです。60歳以上の人口が1950年で約2億人、2000年で約6億人、2050年では20億人に達するといわれており、世界の人口の20%が60歳以上になってしまいます。またどの国にも共通していることは、それぞれの全人口的高齢化に比べて慢性腎不全(ESRD)患者の高齢化のスピードは更に速いということです。日本においては世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでいると聞いております。したがって日本のESRD患者の高齢化は今や大変、深刻な問題であると言えます。
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「高齢者PD導入のメリット・ディメリット」
平松 信 先生 (岡山済生会総合病院 腎臓病センター)

 急速な高齢化が進む中でESRD全体を見渡しますと、乳幼児、小児領域は7、8割がPDに導入され、年齢が上がるにつれ圧倒的にHDに導入される割合が高くなっております。もちろん超高齢になるとHDができない場合が増加し、PDの導入割合が少し増えますが、全般的にEPSや高齢化による介護等が障害となりPD導入を低迷させていると考えられます。
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「介護保険とこれからの医療」
福岡 靖介 先生 (医療法人 福寿会)

 厚生労働省の人口問題研究所が発表している日本の高齢化の将来推計をみますと、先進国では前例がないほど急速に高齢化が起こっており、同時に総人口の増加が2020年ころから一定化し、2050年より減少に転じています。その一番の原因は女性一人が生む子供の数の減少です。特殊出生率は年を追うごとに減少し、2001年現在1.33人にまで落ち込み、このままでは将来、人口が減少するということです。
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