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第9回 日本腹膜透析研究会ワークショップ 「高齢者PDをよりよくするために」

2003年10月4日(土)に第9回日本腹膜透析研究会のワークショップ「高齢者PDをよりよくするために」がゼニーレPD研究会共催で開催されました。
座長は済生会八幡総合病院の中本雅彦先生と矢吹病院の政金生人のお二方で、終始、活発な論議が検討されました。以下に演者の先生方のサマリーを示します。

WSI-1 【高齢者PDはなぜよいのか】
 岡山済生会総合病院腎臓病センター 平松 信
● 70歳以上の多くは概ね自立しており、70歳未満より少ないPD透析量で済む
● 70歳以上は病気の受け入れがよく、自身でPDを選択した場合、QOLが高い
● 年とともに老老介護が減少し、その他の家族や社会資源のサポートが増加する
● 高齢PD患者の腹膜炎以外の死因は一般の高齢者と同じ

WSI-2 【高齢者PDの実態調査結果報告】
 ゼニーレPD研究会 古賀祥嗣
● 糖尿病性腎症の65歳以上のPD導入患者は生命予後が悪い
● 合併症が多いほど生命予後は有意に悪くなる
● 導入時年齢75歳未満、以上での治療継続率には差がない
● 本人希望のPD導入の場合、それ以外の理由と比較して有意に生命予後が良い

WSI-3 【高齢者腹膜透析患者の至適透析】
 埼玉医科大学腎臓内科,Japan PDC Study Group 中元秀友,鈴木洋通
● 高齢者では腹膜透過性亢進が低蛋白血症の主因であり、生命予後を規定する重要な因子である
● 65歳以上のPD管理には腹膜機能の観察と栄養管理が重要である
● 総Ccr、除水量などはどの年代層でも生命予後を規定する因子ではない

WSI-4 【高齢者腎不全患者に対するPD導入の妥当性】
 東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科 中山昌明
● 高齢者は特別ではなく透析患者の中のマジョリティである
● 保存期治療から透析治療に移行する時点で、患者側の意識に断層が生じる
● 断層を生じさせないために、透析導入後の腎機能保護対策が重要
● 透析導入後の初期3年間の生命予後はPDの方が良い、高齢者では更にそれが顕著ではないか?
● 腎保護対策を前提とした透析初期治療でのPDの利点を再度検討すべき

WSI-5 【要介護PD患者の在宅医療の取組み】
 ゼニーレPD研究会 おがわクリニック 吉岡順子
● 収集した事例は糖尿病性腎症が多く、且つ重複合併、重複障害が多い
● 現行の介護保険制度下ではIADLの評価項目がなく、認定度と実際に解離がある
● 医療の立場からの在宅医療と、福祉の立場からの在宅生活サポートには大きな解離がある
● 「医療と生活を結ぶ」ための看護職と介護職の連携、社会資源・制度の有効活用、それらのトータルコーディネートが今後の課題

WSI-6 【社会資源をいかに利用するか、院内システムをどう構築するか】
 かしま病院 中野広文
● PD処方は高齢者の生活背景を十分検討した柔軟なものでなければならない
● 高齢者にはQOLをあげることを前提とした治療が重要
● 社会資源を活用するためのシステムを構築する事が重要
● スムーズに治療し在宅へ移行させるための院内システムと、在宅における生活をサポートする社会資源・制度を有機的に結びつけるPDコーディネーターという職種が必要

WSI-7 【PDラスト北九州方式】
 済生会八幡総合病院腎センター,新和会天神クリニック 西田英一,菅 朗,中本 雅彦
● PDの積極的/消極的適応の間にいる大半の患者はHDに導入されるのが現実
● PDは本格的な透析を行うまでの移行期と、そして終末期に適した療法である
● 高齢化社会において終末期の透析療法として、PD療法の有用性を検証する価値がある
● 地域医療の中で病病、病診連携、患者/医療者/医療経済の間で犠牲のないシステム作りが重要


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